流浪の民          

      訳詞 石倉 小三郎  作曲 R.シューマン


     ぶなの森の葉がくれに
      うたげほがい にぎわしや
      たいまつあかく照らしつつ
      この葉しきてうついする
      これぞ流浪のひとの群れ
      まなこ光 髪きよら
      ニイルの水に浸されて
      きららきららかがやけり
        B 燃ゆる日を囲みつつ
        T たき火を囲みて
        A あかき炎
        S たき火
      おみなたちて忙しく
      酒をくみてさしめぐる

      うたい騒ぐそが中に
      南の国こうるあり
      なやみはろうねぎごとを
      語りつぐるおうなあり

      めぐし乙女舞いいでつ
      たいまつあかくてりわたる
      管弦のひびきにぎわしく
      つれだちて舞い遊ぶ
      すでに歌い疲れてや
      眠りを誘う夜の風
      慣れし故郷を放たれて
      夢に楽土もとめたり
      慣れし故郷を放たれて
      夢に楽土もとめたり

      ひんがし(東)空の白みては
      夜の姿かきうせぬ
      ねぐら離れ鳥鳴けば
      いずこゆくか 流浪の民
      いずこゆくか 流浪の民
      いずこゆくか 流浪の民
      流浪の民