童声(女声)合唱とピアノのための
モーツァルトの百面相
(ジグソーパズル・モーツァルト)           (百面相ヘ)  (合唱曲リストヘ)
作詞 山川 啓介  編曲 鈴木 輝昭

<A>
 モーツァルト!
 今もきらめく その名前
 天国へ旅立って200年
 生きている 今日も歌ってる
 モーツァルト!
 教えて あなたは誰なの?

コンサートホールや
オペラ・ハウスから 音楽室からも
ラジオから(家庭でも)(街角で)
テレビのコマーシャルでも
聞こえる 流れる
たくさんの あなたのメロディー
ウオルフガング・アマデウス・モーツァルト!

 生れは ザルツブルグ
 父さんは 音楽家
 おむつをつけて 弾いてるピアノ
 ”まあ この子は 天使かも!”
 五つの時には 曲までつくってた
 タンタンタン・・・・・・・・・
 学校も行かずに ピアノばかり
 ”すごい子がいるぞ” 国中の噂
 彼にもう 恋してる
 音楽という名の 女神たち
<B>
見えない羽を 背中に
つけて育つ この子に
ザルツブルグは せますぎる
いつか飛べなくなる
広い空が 呼んでる
大きな明日(あす)が 呼んでる
幼いわが子よ 旅に出るんだ
父さんと二人で 旅に出るんだ
まぶしい道が お前を待ってる

さあ行け さあ行け
ミュンヘン ウイーン
馬車は駈けてゆく 馬車は駈けてゆく(走れ馬車)

月日は過ぎ(時は過ぎ)
パリから ロンドンへ

 ああ今日も 演奏会
誰もが天才少年と ほめたって
ぼくは七つ 旅から旅
ふっと ママの顔が涙の中
浮かぶよ 今夜も





<C>

旅を終えて故郷(こきょう)へ
帰って来たモーツァルト
 (今日はピアニストで
  今日は作曲家)
10才なのに 大いそがし
でもなにか ものたりない
 (世界を動かしてる
  音楽家はイタリア人)
そうだ旅に出よう
ミラノへ ローマへ
イタリア きらめく太陽
きらめく音楽
そこは オペラのふるさと
ぼくもきっと 書こうオペラを
 Ah--------
 Ah--------
 すばらしい旅
 Ah--------
 Ah--------
 胸にあふれだすメロディー

 ホ・ホイ ホ・ホイ ホホ・ホイ!
 ホ・ホイ ホ・ホイ ホホ・ホイ!
 歩いて 行くんだ
 顔あげ 胸を張り
 ホイ・ホイ ホホイ・ホイ ホホ・ホイ!
 Ha Ha--------
 演奏 作曲 なんでも来い
 Ha Ha--------
 みんなぼくに ”ブラボー!”


<D>

いつか少年は 20才(はたち)を過ぎて
旅を今でも(音楽の旅を今でも)
つづけている
メヌエット コンチェルト
ソナタ オペラ そしてシンフォニー
つぎからつぎへと
あふれ出て来るメロディー
そして初めての恋
結ばれず 終わった恋・・・

 今のぼくは 子供じゃない
 歩いて行くんだ 一人だけで
 父さんに背を向けて
 歩いて行くんだ

 行こうそうだ ウイーンへ一人
 初めての自由 楽しい暮らし
 一日ピアノを 弾いたあと
 曲を書き
  (ピアノを弾き 夜には
   つぎからつぎへと 曲を書き)
 下宿の娘を愛して 愛されて
 プロポーズ
  (いつのまにか 下宿の娘に  
   恋して ポロポーズ)
 恋しい名前 それはコンスタンツェ







<E>

 
お父さんへ ごぶさたしています
 元気にやってます
 仕事は順調で オペラを書いてます
 反対されても ぼくたち
 どうしても あきらめきれません
 今度の日曜日 結婚式を挙げます
 さようなら-------

30過ぎ 泉のようにあふれ出す
美しく 香り高いメロディー
みんな モーツァルトに聞きほれて
演奏会は いつも満員で
しあわせな月日
夢だったオペラ
つぎつぎと幕を開ける

 今夜はそうさ 朝まで飲んで
 楽しくどうぞ やってくれ
 ”ドン・ジョヴァンニ”大成功
 くりかえすアンコール
 どんなに客が入っても
 ポケットは 空っぽ
 うちの女房(やつ)は むだ使い
 借金だけ ふえてゆく
 おまけにこのごろは
 病気がちで さんざんだ
 貧乏神 忘れよう
 さあ どんどんやってくれ

<F>

どんな まぶしい太陽も
いつか 傾くように
輝きを 失くしてく
モーツァルトのたくましい
病いのベッドで
書きつづける ”レクイエム”
おもては 冬の嵐

 ほら星がひとつ流れ 消えてゆく
 幼い日から 輝きつづけ
 歌いつづけた まぶしい星が
 ほら 消えてゆく
 そっと 消えてゆく

 Ah--------
 時代は いくつも
 顔を変えたけど
 あなたの輝き
 今も あざやか
 今日もほら 世界中にひびくよ
 モーツァルトのメロディー たましい
 そして それはきっと
 生きてる よろこび