レクエイム抄(混声合唱版)
作詞 三木 那名子 作曲 三木 稔
第四楽章 (後半部分。 原曲の第四楽章主部)
おゝ友よ その足は
つる草に絡まれた
枝の繁りも行く手をさえぎり
花の香りも虫の声も
その胸を乱す
友よ
魂の国へ行く用意はいいか
いまこそ泡だちたぎる海原こえて
現身(うつそみ)のない魂が好むという
棕櫚(しゅろ)の木の暗くうち続く間を縫って
波巻く濃藍(のうらん)の海原越えて
友よ 用意はいいか
蟋蟀(こおろぎ)も泣いてお前の通る
磯の叢林(しげみ)のこみちを案内する
死者の魂のさ迷う道だ
おゝ友よ 飜える(ひるがえる)後髪(おくれげ)を洗え
第一楽章 (前半部分。 原曲の冒頭の一部)
聴こえるか 友よ 海鳴りの声が
あの松の林の陰の
大岩の上で飛び散る波の音だ
さあ、 お別れの時が来た
どなたもお支度は喪服に花束