混声合唱とピアノのための組曲
刻(とき)の彼方へ より
作詩 山本 瓔子 作曲 松下 耕
風のめぐるとき
空の どこかで
だれかが 白い糸を つむいている
つめたく ほそく
雨 雨
山門を くぐりぬけて くる風は
立ち止まる こともなく
背中を 押してくる
ひよどりが あけびを ゆすって
とびたっていった
山が もえる
黄色く そして 赤く
かえでが 燃える
もみじが 燃える
鹿は
野生の叫びを あげる
人の 心が ゆれるのは
いつも
風が めぐっているから なのだろうか
きのう 心に 雨を誘った 出来ごとが
今日は こんなにも
私を 燃え立たせる
雲を とかして あふれくる 光は
何と まぶしい かがやき