哀しい波紋
(滋賀)
<デユークのジョッキー にほんのうたによせて>
琵琶湖と言ってもいつでも水面が静かとは限りません。
冬になると比叡おろしの風が強く、湖の中央に船で出るとまるで荒海みたいになります。
*
力なく投げた
小石がポチャンと
小さな波紋を
湖にひろげてゆく
小さな波紋は
さざめく波に
あわく消されて
湖は元の姿
僕の恋も
そんな風に
あの人の心の小さな波紋
ただそれだけのこと
僕は涙ぐむ
琵琶湖のほとりで
一つ 又 一つ
湖に小石を投げる
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