朧(おぼろ)月夜
作詞 高野 辰之 作曲 岡野 貞一
日本中どこにでもある、春の平均的な田園風景のようである。が、実は、作詞者
高野辰之が生まれ育った当時の奥信濃の状況を、生き生きと詠いこんだ詞である。
4月下旬から6月下旬にかけて、飯山市一帯の千曲川畔は、灯油をとるための菜の
花畑で黄一色に染まったという。ところが、電灯が普及した今日では菜種油の需要
が少なくなり、♪菜の花畑に入日薄れ・・・・・・・という風景は、日本からほとんど消え
失せてしまった。 (日本抒情歌全集1の解説より)
1.菜の花畠に 入日薄れ
見渡す山の端(は) 霞深し
春風そよ吹く 空を見れば
夕月かかりて 匂い淡し
2.里わの火影(ほかげ)も 森の色も
田中の小道を 辿る(たどる)人も
蛙(かわず)の鳴く音(ね)も 鐘の音(おと)も
さながら霞める(かすめる) 朧(おぼろ)月夜
一番はユニゾン、二番は二部にしてみました。