朝はどこから
作詞 森 まさる 作曲 橋本 国彦
昭和21年、朝日新聞が暗い戦後を明るくしようと《だれもが口ずさめる健康なホームソング》
を、一般から懸賞募集をした。同年3月3日、応募作品10,526篇の中から1等当選したのがこの
詞で、賞金は千円だった。
この選定歌のイベントの朝日側の企画担当者は音楽記者の野呂信次郎で、コロムビアの足
羽章ディレクターとタイアップしたため、コロムビアでレコード化され、21年5月に発売された。
安西愛子が上を、岡本敦郎が下を歌ってハモり、当時としては画期的な試みで、頗る新鮮な
感じを与えた。
岡本は武蔵野音楽学校を卒業して、3月に並木路子らと一緒にコロムビア専属になったばか
りで、この歌でデビューした。NHKの「ラジオ歌謡」の第2弾にとりあげられ、5月12日から安西
愛子と東京放送合唱団の女声コーラス付で放送された。
朝はどこから 来るかしら
あの空越えて 雲越えて
光の国から 来るかしら
いえいえ そうではありませぬ
それは希望の 家庭から
朝が来る来る 朝が来る
「お早よう」「お早よう」
昼はどこから 来るかしら
あの山越えて 野を越えて
ねんねの里から 来るかしら
いえいえ そうではありませぬ
それは働く 家庭から
昼が来る来る 昼が来る
「今日は」「今日は」
夜はどこから 来るかしら
あの星越えて 月越えて
お伽(とぎ)の国から 来るかしら
いえいえ そうではありませぬ
それは楽しい 家庭から
夜が来る来る 夜が来る
「今晩は」「今晩は」
若い女の先生のオルガンに合わせて歌っている雰囲気になっているでしょうか。