芭蕉布                 

            作詞 吉川 安一  作曲 普久原 恒勇  編曲 松下  耕

            海の青さに 空の青
            南の風に 緑葉(みどりば)の
            芭蕉は情けに 手を招く
            常夏の国 我(わ)した島沖縄(うちなー)

            首里(しゅり)の古城の 石だたみ
            昔を偲ぶ かたほとり
            実れる芭蕉 熟れていた
            緑葉の下 我した島沖縄

            今は昔の 首里天(すいてん)ぢゃなし
            唐(とう)ヲゥーつむぎ はたを織り
            上納(じょうのう)ささげた 芭蕉布
            浅地(あさじ)紺地(くんじ)の 我した島沖縄
 沖縄

   
               沖縄の女性は、嫁入りすると貧富の別なく、屋敷内に芭蕉を植え、
                   家事の傍ら真心こめて育てた。糸芭蕉からとった繊維をさらし、染め、
                   機(はた)を織って作った布を芭蕉布といった。
                   この歌は<徹底したふるさと沖縄の賛歌>という狙いで、琉球ラジオ
                   放送のラジオ・ホームソングに昭和40年の秋に登場し、日本復帰前の
                   どことなく打ち沈んでいた沖縄の人々に、広く愛唱された。
                   伝統的な沖縄音階を使いながら、ポピュラーな感じがする目新しさがある。
                   53年夏、NHKの「名曲アルバム」でも紹介された。